米相場

米騒動というサイトにくっついているブログ。

そうか、私は成り損ないの腐女子だったのか

⚫︎そう、私は確かに腐女子なのだ

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(最近、ハマりにハマっているフルーツグラノーラ。これは友人のお洒落な保管方法と食事方法)


私は腐女子です。

まさかこんな事を創作BLサイトにくっつけているブログに書く事になろうとは思いもよりませんでしたが、何かを語る上で自分の中の“当たり前”と、読んで下さる方の“当たり前”を同じ条件で揃えるのは最低限のルールなので、私は敢えて最初に申し上げます。


私は、腐女子なのです。


まぁ、そうでなければ創作BLサイトなど作ろうはずもありません。

二次創作物も大好きです。

あまり二次のBLカプを語ったり、人気の漫画につい語ったりしないので、なにやら私は二次創作を好まないのでは?という誤解を受ける事が、たまにあります。

(そういうコメントを頂くのです)


けれど、そんな事は決してないです。

私は二次創作も一次創作もBLなら大好きです。

この腐女子フィルターのかかった曇りきった眼はきっと少しばかりクリアになったりする事はあれど、生まれた時にしていたような、あの曇りなき眼に戻る事は永久にないのでしょう。

多分、きっと、腐るってきっとそういうこと。


そんな訳で私は大まかな分類でいくと、まごうことなき腐女子なのです。


⚫︎しかしながら、成り損ないでもあるのです

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(私の早起きを助けてくれるのは朝ご飯のフルーツグラノーラがあるからなのです)


けれど、腐女子をやっていて、そう、たまに同じ腐女子友達と些細なズレを感じる事があります。

簡単に言えば私は「キャラ萌え」できない、とても融通の利かないタイプ腐女子なのです。

「ストーリーありき」タイプの腐女子とも言います。


同じ画面に二人の男が居るだけで、自分の中の脳内補完という名の行間を読むパワーで二人の男をカップリングとして確立させることができる腐女子が、真の腐女子と私は思うのです。

そして、私はそれがとてもうらやましい。


私はその腐女子にのみ与えられた飛躍的な行間を読むパワーが決定的に欠けています。

とても残念なことです。


私は画面上に男が二人居ようが、その二人が画面中心で抱き合っていようが、二人がストーリー上で互いが互いを特別だと思える“何か”がきちんと描かれていないと私は納得出来ずにカップリングとして扱うことにわだかまりを残してしいます。

いや、私も腐女子なので「お、これはカップリングとして扱いたい。これはイケるに違いない」という魂の叫びは感じるのですが、二人の関係性がきちんと原作で描かれないまま、ただ両キャラが突然の仲良しこよしを始めてしまった場合「萌える……のだけれども!!!」と、その場で足踏みを始めてしまうのです。


私という人間は、とってもしちめんどくせぇ女なのです。


結果、私の中には二人をBLとして扱いたいたい衝動はあるものの原作の中で納得のいく描写がない(もしくは足りない)場合は私の胸中で激しい葛藤が生まれ、純粋に「何この二人胸熱。萌えと言わざるを得ない」と騒げず悶々と考え込んでしまうのです。

あぁ、原作でこんなさりげないやり取りが加われば、こんな会話がなされれば、こんな描写やモノローグがあれば、という具合。


そう、例えば高校の数学で数式を解く時に「なぜその公式を使うのか」という事を、ただひたすら考え込み数式二段目で一時間の授業を潰してしまっていた高校時代が、そのまま私の腐女子としての本質を表しているのです。ただただめんどくさい。



⚫︎事の発端はイギリスドラマ「シャーロック」

SHERLOCK / シャーロック [DVD]

SHERLOCK / シャーロック [DVD]


高校時代のお友達にお勧めをされて、今現在地元の友達とDVDを見ている海外ドラマです。

とっても人気で有名な作品らしく、私にとっては初の海外ドラマでわくわくの塊のような気持ちでDVDに臨みました。


ストーリーをざっくり言えば、原作のシャーロックホームズを現代版に置き換えたものらしいです。

まぁ、※原作シャーロックホームズを知らない私にしてみれば、現代に置き換えられても「ほうほう、ここをこう置き換えたのか、なんて興味深い」みたいな感想は得られないので、純粋に初の海外ドラマの推理モノとして見る感じになっていますが。


(※私のシャーロックホームズの知識は劇場版名探偵コナンの「ベイカー街の亡霊」で得られた些細なものでしかないので)


にしても、変人とまともな人という組み合わせという、きっと胸熱なドラマを生み出すに違いない二人が主人公という事で私は拳を握りしめん勢いでDVDのレンタルに挑みました。ひゃっほう。


結論。

端的に言えば面白いです。

ちょっとだけ事件や推理が入り組んでて、一回目の視聴では思考が遥か彼方べぶっとんでしまう事もありましたが、ストーリーは文句なしに面白いです。


けれど!けれど!!

お友達さら勧められた時に「この二人はもう胸熱で萌えと言わざるを得ない」(かなり意訳しております)と言われて借りてしまったが故に、私はこの二人に過度な胸熱展開を求め過ぎていたようです。

いや、いや、いや!


シャーロックを見たことがなくて、これからシャーロックを見ようと思っている真の腐女子ならば、間違いありません。レンタルして下さい。

あの二人はパーフェクトだと思います。ふぁんたすてぃっく!


ずっと一人ぼっちだった天才(変人)が凡人と関わる事で人間性を持ち始め、互いに隣に居るのが当たり前になっていくなんて、なんと素晴らしい胸熱展開なの!あめいじんぐ!


そんな感じです。


きっと、胸熱であぁ神様と祈りだす程の王道の胸熱ストーリーなので、お勧めはお勧めです。

そう、真の腐女子なら。

行間を読む素晴らしい能力に秀でた真の腐女子なら「シャーロック」と「ジョン」の相棒!冒険の始まりだぜ!というストーリーに腐としての真骨頂を見出せる筈なのです。


けれど、冒頭にも申し上げました通り私はとてもしちめんどくさい腐女子なのです。

一話から二話にかけての行間を読めない私は、一話目で出会い→同居開始からの、既に二話で大変仲良しになっていた二人に目を瞬かせる羽目になったのです。

一話で変人変人と言われ遠巻きにされ、シャーロック自身も「周りの奴らは頭があるのに使っていないなんて愚かな奴らなのだろう!私とは激しく一線を画するバカどもめ!事件もってこい事件!私は事件さえあればそれでいいんだ!」という高機能社会不適合者具合(話し相手は頭蓋骨)だったのにもかかわらず!

かかわらず!

シャーロックがジョンと口喧嘩をしまい、それに怒ったジョンが部屋を飛び出してしまう、という場面が二話の前半にあったのですが。

その出て行くジョンの後ろ姿を見送る際に、シャーロックの見せた寂しげな視線(しかも窓際まで行って更にジョンの背中を目で追うのという!)に萌えよりもまず「おまっ、えらっ!いつの間にそんな!仲良しになったんだ!いつの間に!そんなジョンに懐いてんだ!シャーロック!お前はそれまで他人は皆愚かもんだと思ってたんや!ないのか!友達は!物言わぬ骸骨ではなかったのか!なにがあった!そこを描け!そこが最も胸熱な部分だろうが!みせろ!!」と公式の使い所が分からず数式の二行目で立ち止まってしまった高校時代のしちめんどくさい私が顔を見せてきたのです。


この後もシャーロックはジョンが関わるピンチに遭遇すると、あの、人を食ったような余裕な感じを消し去って「ジョーン!ジョーン!」みたく、普通の人みたくなるのです。

胸熱です。腐女子にはご褒美でしょうとも。


けれど!けれど!

そうなるまでの過程を!もっと!さりげなくでも良いから!随所に!

これ、お国柄かな!細かな心情描写や触れ合いの過程を求めるのは私が日本人だからなのか、それもも女だからなのか。


それは不明なのですが、私はあの二人が互いにはなくてはならない存在になっていく様、その過程がたくさん見たかった。


公式の二行目めで早速つまづく成りそこないの腐女子は、真の腐女子の補足説明や、pixivさんにたくさんおられる素晴らしい創作者の方々の作品を見ることによって補完している段階です。


私も、真の腐女子になって行間をおのれの曇り切った眼で見定め「見える!見える!二人が手を取り合うまでの過程が!胸熱展開が!」と拳を握りしめたい。

でも、それが無理なので私は真の腐女子から教えを乞いながら、そして第二シーズンへと向かうのです。


にしても、シャーロックはおもしろいったらありゃしない。


いや、わかるのです。

頭では、理屈はわかるのです。