米相場

米騒動というサイトにくっついているブログ。

ᓚᘏᗢ{ルドルフとイッパイアッテナ

●読書感想文
f:id:ookimachi:20160420000235j:plain

「ルドルフとイッパイアッテナ」を読んで。

         米騒動のはいじ

こないだ映画(名探偵コナン)を見に行った際、本編前のCMでまさかの【ルドルフとイッパイアッテナ】が夏休み映画として公開される事を知りました。

( ᷇࿀ ᷆ ){ひー、なんて事。知らなかった、うかつ!

コナンの映画前なのに気持ちは【ルドルフとイッパイアッテナ】を見る気持ちで固定されてしまいました。

 

【ルドルフとイッパイアッテナ】

ルドルフとイッパイアッテナ

これは小学生の頃から大好きな児童文学作家である斉藤洋さんの作品なのですが、代表作と言ってもいいくらい有名なやつです。

斉藤洋さんの作品は動物が主人公のものが多くて、子供の頃は「ひー、動物なのにすごいやつらだ!」と登場人物の動物達に敬意を表する事が多々ありました。

中でも、この作品は小学生の頃、母が私に読み聞かせをしてくれていたのですが「お前、読み聞かせる気あんのか」と子供の私が思う程、母自身、自分が読むのに必死になっていたのを覚えています。

 

( ˆoˆ ){ひー!あはは。ひー!なんてこと!

( ᷇࿀ ᷆ ){…………

 

最早、初見の記憶は母の感想コメント付きの記憶しかありません。

アニメをニコニコ動画でコメント付きで見ているようなもので、自分の感想より母の感想をベースに記憶が出来あがってしまいました。

まぁ、母が心底楽しそうに読んでいたからこそ、大人になった今でも好きな作品になりえたのかもしれませんが。

 

この話はですね、主人公が猫です。黒猫。それがタイトルの一匹目、ルドルフ。

ルドルフはリエちゃんという女の子に飼われていた飼い猫だったのだけれど、まぁ、紆余曲折あって住んでいた土地(岐阜県)から東京都の江戸川区に一匹でぽーんと来てしまいます。

大好きなリエちゃんと離れ離れになり、途方に暮れるルドルフ。

そこで出会ったボス猫、イッパイアッテナがこのルドルフの面倒を色々と見てくれるんですよ。それがタイトルの二匹目、イッパイアッテナ。

このイッパイアッテナがもう男気溢れる、世界3大兄貴に入れたいくらい「兄貴!」な猫でして。

この話はこの二匹の愉快な野良生活と友情を描いた児童書なのです。

 

イッパイアッテナは乱暴で武骨な猫なのですが、面倒見は良いし「教養」のある猫です。

この作品にやたらめったら出て来る言葉、それが「教養」なのですが、イッパイアッテナは野良経験のないルドルフに生きる術だけでなく「教養」を叩きこんでくれます。

ひー、胸熱過ぎて頭を抱えそう。

そんな兄貴人間にもそうそうおらんがな。

 

●イッパイアッテナ兄貴の教養のある教え

 f:id:ookimachi:20160420004622j:plain

ᓚᘏᗢ{黒ねこがえんぎが悪いなんて迷信だ。そんなことをいまどき信じるのは、教養がねえしょうこさ

 

「黒猫は縁起が悪い」とのたまった人間に対して、イッパイアッテナがルドルフに気にするなと言ってかけた一言。

初見時は「教養」の意味すら分からなかった年齢でしたが、意味はなんとなくわかるし、イッパイアッテナが至極真っ当な事を言っている事くらいはわかりました。

何も知らない相手の事を根拠もない迷信で決めつけてしまうなんて教養のないやつのする事だと、兄貴は言っていらっしゃるのです。

ひー。人間ってそういう所が往々にしてあるので、最近チラっと読み直して「兄貴!気を付けます!」と人間の私は心底思いました。

 

ᓚᘏᗢ{ちょっとできるようになると、それをつかって、できないやつをばかにするなんて、最低のねこのすることだ。教養のあるねこのやるこっちゃねえ

 

これは人間の文字を覚えたルドルフが他の字を読めない猫をバカにした時に、イッパイアッテナが言った台詞です。

はい、また出ました兄貴の「教養」。

そうですよ、ちょっと出来るからってそれを盾に他人を見下したり「そんな事もできねぇのか」と優越感に浸るなんて、そんな人見ていられませんよ。目を覆いたくなります。

「出来る人」というのは「出来ない人」の上に立っている訳ではなく、横幅、つまり視野が広くなったというだけなのです。決して上ではない。イッパイアッテナの兄貴は他者の上に立ったりせず、出来ることによって生じる視野の広さをルドルフに教えてくれます。

きっと、それが「教養」なのでしょうね。

イッパイアッテナの兄貴が傍に居たら、誰もが真っ当に教養のあるやつになれるに違いありません。とんでもない猫ですよ。

 

まぁ、イッパイアッテナの兄貴の事をやたらめったら褒めちぎっていますが、この作品は終始主人公であるルドルフの視点で描かれています。

ルドルフもルドルフで純粋で真っ直ぐな可愛い奴なのです。

若干、進撃の巨人の主人公「エレン」と似た天然さ潔さを感じるところがあったりします。

だいたい、タイトルのイッパイアッテナという兄貴の名前はルドルフの勘違いで付いた名前なのです。

 

•·̫•{ぼくはルドルフだ。あんたは?

ᓚᘏᗢ{おれか。おれの名まえは、いっぱいあってな。

•·̫•{えっ、イッパイアッテナっていう名まえなのかい

ᓚᘏᗢ{そうじゃない

 

コントか。

母はここで一人爆笑しておりまして、私は隣でポカン顔でした。

ルドルフは基本大真面目で、まっすぐです。図書館で本を読んだり、字の練習をしたり、イッパイアッテナの真似をしたり。心底かわいらしいやつです。

なので、私はルドルフが心底好きでした。

飼い主のリエちゃんになりたいと本気で思うくらいに。

そんなルドルフを、イッパイアッテナも好きなのです。この二匹の友情が、今の私には胸熱!と心臓をかきむしる思いで好きなのです。

 

あぁ、映画どうしようかしら。

多分見に行くと思います。

できれば原作の児童書も買い直したいくらい。

今の私にはイッパイアッテナの教えが心底必要だと思います。

教養を身につけて婚活をしないと意味は無い気がします。

 

そんな突然の読書感想文でした。

※蛇足

お分かりかとは思いますが【米騒動】の「御免こうむります」はルドルフとイッパイアッテナの影響を多大に受けております。ひー、恐れ多いですね。まったく。 

 

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine