【視聴記録】メイドインアビス
●劇場版 メイドインアビスを見てきました
(音楽と映像が素晴らしくて怖くて)
こんにちは、はいじです。
最近、よくお会いしますね。
そう、夫から「全然ブログ更新してなかった癖に、更新する時は1週間やそこらの頻度で現れやがって。なんなんだ」と、わからんでもない憤りをぶつけられました。
まあ、気分だよね。
理由は特にないけど、文章化したい気分と意気込みが今はいい感じに波に乗ってしまってるんです。
夫でなくとも同じような気持ちでここをみまもってくださってる方も、多少いらっしゃると思いますが、まあ、そんなもんです。
今回は「ハーフ還暦会(※)」と「劇場版メイドインアビスの感想」どちらを書こうかしらと思っておりましたが、ハーフ還暦会の後にメイドインアビスを見たせいで、一瞬にして精神がそっちに持って行かれてしまったので、今回はメイドインアビスの事を書きます。
(※)ハーフ還暦会とは…
30歳になった友人達とドレスを着てスタジオで写真撮影をする会。
(ハチャメチャに楽しかったですよ)
●憧れは止められないね、そだね
(戦闘シーンの大迫力は是非とも映画館で体験してほしい)
私は原作はチラッと読んだ程度しか知らなくて、ほぼアニメで見てきた人間でして。
最初は設定のしっかりした、世界観がとても綺麗は王道冒険ファンタジーだなって思ってました。
(アビスという大穴のある世界で、主人公はその穴の中の1番奥を目指す探窟家の女の子)
主人公のリコはとても明るくて元気で、色んな伝説を残してアビスの深層に挑んだ母親を探すためにアビスの底を目指すんです。
ホワホワした絵柄で、壮大な世界観、正統派な冒険。最初アニメを見たときは、本当に久しぶりにこんな冒険の真骨頂な物語を見たなあと思ったものでした。
(リコは本当に元気で明るい、知恵と勇気で乗り越えて行く女の子だよ)
私、主人公やらキャラクター達がその行動を起こす為の動機的な部分って、見ててスルっとこっち側(視聴者側)に入ってこない作品は、本当に苦手で。
どうしてそのキャラクターは自分の不利益を知った上でそのキャラクターに行動を起こしたの?とか、どうして危険とわかっていて冒険に出るの?とか。
キャラクターの軸がしっかりしてないと、物語ではよく起こる現象なんですよね。
そして、それが起こってしまった物語は一つも心が動かされなくなってしまう。
その点、王道の良い部分がドンと芯に詰まってるメイドインアビスは行動起源に「お母さんに会いたい」&「憧れは止められない」という、なんとも前向きかつスルっとこちら側に入ってくるもので、見ててストレスがないんですよね。
主人公が物事に対して斜に構えるような子ではく(そしてまじで年齢的に子供だし)、キラキラしてるから、逆に新しさすら覚えてしまう。
昔のRPGのゲームみたいね。
(憧れはとめられないっていうのもわかる)
HUNTER×HUNTERのゴンも最初は父親に会いたいとかそんな理由で、父と同じくハンターを目指したりするけどさ。
子供が親に会いたいと思う感情程、余計な説明のいらないものはないなって思う。
化物語で主人公の阿良々木君が、八九寺ちゃんに「なぜ、母親に会いに行くの?」と尋ねた時の返答がまさしくソレ。
「子供が母親会いたいと思うのに、理由がいりますか?」
おっしゃるとおり!
そんな感じで+ボーイミーツガールな王道ストーリーな上に、設定がまじに行き届いてがっつりしっかりしてるので、見ていてひーって手に汗握ってしまう。
(リコは明るく元気な女の子なのに、下を目指すってなんか深い深い)
冒険は危険もたくさんあって、アビスの呪いなんかは目を覆いたくなる。
けど主人公はそれを覚悟で挑んで行くし、覚悟したって呪いは辛いく苦しくけっこう残酷。死にかけるしね。
けど、レグ(一緒に深層を目指す男の子)と二人だから乗り越えられるんだ、っていう王道。
(レグは秘密の多い記憶喪失のロボットの男の子)
きちんと乗り越えるべき山が、ちょっとやそっとことではないのでこの物語には薄っぺらくない。
あと凄いなって思うのが、視聴者がそのキャラクターを認識した時間も少なく、実際キャラクター達がお互い触れ合った時間も微かなものなのに、そのキャラクター同士がお互いに過酷な運命を共にして、互いの為に苦しさも辛さも耐え抜くのを、見てるこちが全然疑問に思わないところ。
(ミーティなんてまさにそれ)
むしろ、それは自然で当たり前で入り込めるから、止めようもない涙でいっぱいになったりする。
ワンピースなんかは、キャラクターの過去をそこそこ時間をかけて読者に伝えていく過程があるから、しっかり読者が入り込んで行ける余地があるタイプの良作。
けどメイドインアビスはそうじゃないくて。
人間関係におけるお互いの重要性を、少しの時間だけで厚みを持たせて来るから凄い。
“君の為に”という献身や、愛というものに時間は関係ないんだということを、圧倒的表現力で伝えてくる。
それもこれも、キャラクー一人一人のちょっとした動きや反応で、そのキャラクターがきちんと芯をもって描かれるからできる事だよ本当に素晴らしい。
映画はそういったものの集大成過ぎました。
綺麗でかっこよくて、怖くて、残酷で、苦しくて。
劇場では視聴後、ほぼ満席の館内で無言の人々が劇場をあとにしていく、なかなか無い光景を目の当たりにできる映画でした。
唯一、こらえきれずに一人の女性が出入り口で漏らした感想が
「こんなの考え付くなんて、天才、だよね」
夫も私も少し、足取り重く、鼻をひくひく鳴らしつつ、そこそこ酷い雨の中を、傘を二人して忘れていたので濡れ鼠になりながら帰りました。